酒さの治療
1.酒さとは
酒さは主に中高年の顔にできる炎症性の病気です。欧米で比較的によく見られる病気ですが近年は日本でも増えております。
2.原因
日光などの外からの刺激、ストレスや食べ物、遺伝的素因など複数の原因が重なっておこると考えられています。
3.症状
◎紅斑毛細血管拡張型(第1度)
顔の赤みと毛細血管が拡がっているのが見えることがあり、ほてり、かゆみを伴うこともあります。
◎丘疹・膿疱型(第2度)
ニキビ様の赤いぽつぽつと膿をもったぶつぶつが見られますが、毛穴のつまりが原因ではないためニキビの時にできる白ニキビ(コメド)は見られません。
◎瘤腫型・鼻瘤(第3度)
鼻の皮膚が厚くなり、こぶのような膨らみができ皮脂の分泌が多くなります。
◎眼型
まれなタイプですが、目の充血やまぶたの炎症がおこります。
4.治療
◎第1度
スキンケアは日本皮膚科学会酒さ治療ガイドラインで勧められています。
(推奨度C1 選択肢の1つとして勧められる)
外からの刺激に敏感でヒリヒリ感やかゆみを感じやすい状態になるので、顔に刺激の少ないスキンケア用品製品を選び強く擦らないようにするとよいでしょう。
「敏感肌用」「低刺激」「無香料」などと書かれているものは参考になります。
スキンケア製品を使用する前に首や腕の内側などに塗ってみて刺激の有無をテストしてみると良いでしょう。
紫外線対策もしたほうがよく、帽子、日傘と日焼け止めをぬって肌を守ると良いのですが、日焼け止めも「敏感肌用」「低刺激」などと書かれているものを選ぶようにすると良いでしょう。
レーザー治療については当科では行っておりませんが、パルス色素レーザー、YAGレーザー、IPLは選択肢の1つとしては勧められています。(推奨度C1)
◎第2度
ロゼックスゲルの塗り薬は強く勧めれています。(推奨度A)
ビブラマイシンの内服とスキンケアは選択肢の1つとして勧められています。(推奨度C1)
レーザー治療は勧められておりません。
◎第3度
酒さの治療ガイドラインでは勧められている治療はありませんが、個々の患者さんに対し塗り薬、のみ薬、外科的治療、レーザー治療などを考慮して治療してもよいとされています。
酒さの治療はすぐに良くなるのはニキビ様のぶつぶつにロゼックスゲルを塗った時で、ビブラマイシンののみ薬も効果がでる場合が多いですが、中止すると繰り返すこともあるので、スキンケアを続けながら他の炎症を抑える塗り薬や炎症を抑える漢方薬も併用しながら治癒を目指します。